大気調節センター内部
次のブロックにもタンカーが控えている。
ジャンピング・ラリアーット!!
今度は女ストライカーだ!!
あれは・・・シナタマ?!
ぐったりとうなだれるシナタマ。
コノコ:『何をされたの?』
シナタマ:『あなたは本当のことを知らない・・・』
シナタマ:『あなたの本当の名前はマイ・ハセガワ・・・お父さんは・・・』
コノコ:『何を言っているの? しっかりして。今すぐ自由にしてあげるわ。』
シナタマ:『ダメ! あいつに・・・やられちゃって・・・いま動かされたら、
きっと死んじゃうわ・・・』
コノコ:『なぜあなたを傷つける必要があったの!?』
シナタマ:『TCTFはわたしを使ってコノコの体内にある ”さなぎ” の
成長を監視していたの・・・。そしてそのデータは私の頭脳にも入っているわ・・・。』
コノコ:『いったい何の話?』
技術員:『司令・・・生体データはホストがシナタマのすぐ近くにいることを示しています。』
グリフィン:『波形データは確認出来たか?』
技術員:『チャートを完全に上回っています。変化も不安定です。暴走しかねません。』
カー博士:『何故そう断言できる?』
グリフィン:『シナタマの爆破エネルギーはどれくらいだ?』
技術員:『21ギガワットです。これだけ近くにいれば彼女といえどもひとたまりもないでしょう。
いかが致しますか・・・?』
カー博士:『チャンスを与えるべきだ・・・』
グリフィン:『博士。あなたもデータを見たはずだ。制御できない状態での変異を
許すわけにはいかん。やれ!』
突然、顔を上げるシナタマ。
シナタマ:『今、TCTFの発令所から自爆コードが送信されて来たわ。
もう爆発を止めることはできない。でも、遅らせることならできる・・・』
コノコ:『あなたを見捨ててはいけないわ。何か手があるはずよ。』
シナタマ:『さよなら・・・コノコ・・・・』
もはやシナタマを救出する術は無い・・・。
出来る限り早く爆発圏外に逃げろ!
振り返るな!
爆発に巻き込まれないように、上階にある耐熱壁の向こうへ退避せよ!
シナタマ:『爆発まで10秒、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・』
間一髪で耐熱室に入るコノコ。
と同時に大音響と供に爆発が起こる。
シナタマは死んだ。自爆信号はTCTF地域本部の発令所から発信されていた。
勿論、コノコが爆発圏内にいたことも知っていたはずだ。ムロがシナタマから
どんな秘密を引き出そうとしていたかにせよ、
グリフィンはムロにも、そしてコノコにも、
その秘密を知られたくないようだ。
もはや誰も信用出来ない。
シナタマは文字通り、命を懸けてコノコが逃げる為の時間を稼いでくれた。
シナタマの犠牲を無駄にしてはならない。
行け! コノコ!! ビルの崩壊は近い! 一刻も早くこのセンターから脱出するのだ!!
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