ハセガワ研究所








コノコ:『父さんの研究所か。』





コノコ:『父さんのことを覚えていたらどんな気分だろう。想像も付かないわね。』





コノコ:『まるで父さんの幽霊が横にいて、私の知らない過去に 一緒に足を踏み入れようとしているような、そんな・・・感じ・・・。』
データディスクを端末にセットするコノコ。





ハセガワ博士:
(愛するジェイミーを失って以来、私は自分だけが生き残ってしまったことへの 言い訳を求め続けている・・・。ジェイミーの犠牲には何か意味があるはずだ。 そうでなければ私は悲しみに押し潰されてしまうことだろう・・・。)





ハセガワ博士:
(ジェイミーは私の教え子で、実に優秀だった。それにジェイミーは際立った存在であり、 そのことは誰の目にも明らかだった。初めて出会った時から私は彼女に夢中だった。)




ハセガワ博士:
(ジェイミーは活動家であり、政府が環境が危機的状況にあることを 隠蔽している事に気付いた。ジェイミーの心にあったのは、 いかなる代償を支払おうとも誤りを正そうとする強い決意だった。)




ハセガワ博士:
(私はジェイミーに説得され活動に加わった。危険な活動であることは 二人とも承知していた。だが、私達は若く、死ぬなんて事は想像もしなかった。 ジェイミーを失って私の心には大きな穴が開いている。)




ハセガワ博士:
(私達は街を離れるべきではなかったのだ。だが、環境の変化を示す、 ハッキリとした証拠が必要だった。政府はあそこを自然保護区と呼んでいる。 だが実際は汚染地帯だった。奴らは汚らしい真実を美名で覆い隠しているのだ。
”国家の敵” の烙印を押される事は承知の上だったし、自分達の選択がもたらす 結果に対処する準備はできているつもりだった。しかし、 私達の身に生じたのは、想像を絶する恐ろしい事だった。)




ハセガワ博士:
(汚染地帯を進む途中、ジェイミーが足を切った。傷はたちまちの内に化膿した。 あんな症状はそれまで見たこともなかった。)




ハセガワ博士:
(ジェイミーは私の腕の中で弱っていった。私にはなす術がなかった。 苦痛を長引かせないこと。それが私に出来る唯一のことだった。 私はジェイミーの頭に銃口を当て、静かに引き金を引いた・・・。)




ハセガワ博士:
大気処理装置の外の世界には毒が蔓延している。直ぐに何らかの手を打たなければ、 人類は破滅してしまうだろう。ジェイミーの死を無駄にしてはならない。)




ハセガワ博士:
(ジェイミーを殺した悪夢に私は戦いを挑むつもりだ。幸い、 ジェイミーの兄が協力を申し出てくれている。彼も私と同じくらい ジェイミーの死を悲しんでいる・・・。)




コノコ:『ジェイミー・ハセガワ、旧姓ジェイミー・カー。カー博士の妹?! シナタマの言ってた通りだわ。カー博士は父さんと研究をしてたのね。 でも一体、どんな研究を?』




ムロ:『本当に知らないのかね。』




コノコ:『ムロ!?』




ムロ:『ふっふっふっふっ。感傷の時間は終わりだ。お嬢さん。』
なぜ、ムロがこここへ・・・?!






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