TCTF技術犯罪者隔離棟#112 セーブポイント3








向こうに見えるコンソールを操作してロックを外せ。





ロックを解除。





『ライオン!』





『アークテッド!!』





『ライオン!』




『フィストー!!』




向こうにもエージェントが!!




ここがカー博士の研究ブロックだ。




コノコ:『電力を入れて来たわ。』
カー博士:『よし、では始めよう。』




コノコ:『これってどうしても必要なことなの?』
カー博士:『うむ、シナタマが連れ去られて以来、君とのコンタクトは途絶えておった。 まずは君の体内で何が起こっているのかを知らねばならん。』




コノコ:『なるほどね。分かったわ。』




カー博士:『用意はいいかね?』




カー博士:『ちょっとだけチクリとするぞ。』




カー博士:『これから ”さなぎ” を観察して、君の体との融合が どれくらい進んでいるかを調べる。』




カー博士:『君は安定しているが、変化が思ったより早いのだ。』
コノコ:『どういうこと? 何が私に起きてるの?』




カー博士:『どこまで知っているのかね。』
コノコ:『私の実名は マイ・ハセガワ。あなたは父さんと研究をしていた。 でも、何の研究をしていたかは知らないわ。』




カー博士:『ダオダンのさなぎ・・・ ”クリサリス” の研究だ。大気汚染から人類を救う為には、 人類そのものが汚れた世界に適応しなければならない。そうハセガワ君は考えておった。』




コノコ:『シナタマはあなたが自分を利用して ”さなぎ” の成長を観察としていると言ってたわ。 その ”クリサリス” とかいうのが、私の体の中にいるの?』




カー博士:『そうだ。』
コノコ:『それは何をしてるの?』




カー博士:『”クリサリス” は超進化を遂げたクローン細胞だ。 ホストが過酷な環境にさらされたり負傷したりすると、”クリサリス” が 傷ついた部分を強化したり新しい組織に再構成したりする。』




コノコ:『誰がそんなものを私に? あなた?』
カー博士:『グリフィンに命じられたのだ。』
コノコ:『司令が? でもなぜ?』




カー博士:『ハセガワ君とわしは合法的なスポンサーの支援を受ける事ができず、 やむなくシンジケートから資金援助を受ける、いわば犯罪者になった。 シンジケートはわしらの研究にほとんど口を出さなかった。 大して興味を持っていないのだろうと、わしらは思っていたが・・・それは間違いだった。』




コノコ:『続けて。』
カー博士:『彼らはわしらをつぶさに観察していた。”クリサリス” がどのようなものであるかを 知るや否や、奴らはわしらの研究所を襲撃した。 その時点でわしらの手元にある ”クリサリス” は二つだけだった。 君と、君の兄の生体コードをベースにした試作品だ・・・。』
コノコ:『兄?』
カー博士:『ムロだよ。』




コノコ:『嘘!! 冗談でしょ!?』
カー博士:『シンジケートはハセガワ君とムロを拉致した。 わしら自身は誰かに ”クリサリス” を植え付ける気などなかった。 だが、奴らの考えは違っておった。』




カー博士:『わしは君を連れて何とか逃げ出し、TCTFに保護も求めた。 他に安全な場所がなかったからだ。』
コノコ:『するとグリフィンが私への移植を強制したってわけね? でもなぜ? 保険のつもり?』




カー博士:『そうだ。試作品がどのような突然変異を生じさせるのかは、 わしらにも分からなかった。シンジケートがゆくゆくは手にする武器に匹敵するものを グリフィンは欲したのだ。冷酷な男だよ。奴は。』
コノコ:『そして、あなたを自分の部下として利用したのね・・・。』
カー博士:『そうだ。だがそれは構わんのだ。私にとっての全てである君を 見捨てて行くわけにはいかなかったからな。』




コノコ:『ムロ・・・奴らは人間じゃないわ・・・私はどうなるの?』
カー博士:『君はこれまで通り君のままだ。”クリサリス” も心までは変えられん。 どのような突然変異が生じるかは、ホストの人間性しだいだ。』
コノコ:『どういうこと?』
カー博士:『君は変わりつつある・・・より強く、より強靱な体へと、な。 だが、変異が終わった時にどんな体になっていようと、 それは君自身の心の表れなのだ。』




セキュリティー・ガード:『ターゲットを補足。コノコです!』




セキュリティー・ガード:『死ねぇ!!』
カー博士:『コノコ君! 危ない!!』




カー博士:『ぐあぁぁぁ!!』




セキュリティー・ガード:『チッ! しくじったか!』




カー博士はコノコを庇って死んでいった。
ダオダン・ブローブの起動でTCTFもコノコの存在に感付いた。 ビルには大規模な掃討部隊が迫っている。 もはや躊躇している暇は無い! バイオ物質分解タンクを目指し脱出せよ!! それがここから逃げ延びる唯一の選択肢だ!!






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