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その23 諸例
ここでいくつかの例を「キャンパスの症候群」より抜粋してみたいと思います。
[例一]
寮でカメラその他を盗み、質屋で足がつき、問題が発覚。A寮を退寮処分となった。すると恥知らずというか同じ大学のB寮に翌日入寮希望し、A、Bの連絡が無いので、B寮はそれと知らず入寮許可。大学が、同情に値する家族の問題等を酌量してくれたので退学は逃れ、謹慎することになった。それで田舎の小都市に帰省するや、まもなく後輩の女子高校生と同棲。酒ばかり呑んでこずかいをタカり、働かないので破綻が来たが、結局、逃げ腰の相手から手切れ金数十万を取り上げる。帰京してしばらく寮でアルバイトに専念していたが、あるとき教会で休んでいた。暗い印象なので牧師が気になって尋ねると、人生に疲れた死にたいと、不幸な生い立ちなどを話す。深く同情した牧師が自分のところに引き取り、近くのアパートに住まわせた。そのうち、牧師の妻(10歳上)に甘えるようになり、あるとき性関係を持ちはじめる。これに気ずいた牧師に戒められ、出される。ところが、全く同じことを別の教会で試み、同じ方法で同情をひき、住み込む。またその妻に言い寄り、あるとき迫るが、拒否され騒ぎになる。再三、同じトラブルを引き起こし、今度の場合は牧師の要求でも簡単に家を出ない。救い難いトラブルを続けた。幼児から父母の仲が悪く、父はアル中で、陰惨なケンカが多かった。生活費を家に入れないので、母は外で働くようになり、そのうち水商売に定着するようになる。本人が小学生のとき、母はしばしば昼間客の男性を引き入れ、SEXをするようになった。母はかなりあくどく稼いだようで、そのうち自分で店を持つようになった。父はたびたび、自分は金をいれないくせに、母に乱暴したりだましたりして金を巻き上げていた。他の同胞は兄二人、姉、弟の四人。全て早くから外泊や家出を繰り返し、時々長期に友人宅に泊り込んだりした。姉は高校時代から恋人ができ、卒業するや逃げるように同棲。長兄は、東京の有名私大に入ったが、学業よりアルバイトに専念するうち、酒を覚え、水商売の女性と同棲、中退。次兄は、高校時代から学業は中断、住み込みで働くうち、同棲。その後母と一緒に水商売で安定している。弟は最後に父と残されたが、耐えず外泊し、転々とすることが多く、高校に入るや家出。横浜方面にいるらしい。本人は、成績良く大学進学を勧められたが、高卒後、地元のデパートに二年勤め、上京して予備校に入り、T大に合格。寮に入ったが、つき合い少なく、いつもアルバイトに専念、酒は良く呑んでいた。試験前になるとアルバイトを休むので、酒代に困り、まわりのカメラなどを盗みはじめ、とうとう発覚。
[例二]
父母は折り合い悪く、経済的にも悪く、別れてしまう。父母に棄てられるように、乳児院に入れられる。本人が小学入学の頃、よりが戻って、郷里で新しく家庭を作り直した両親に引きとられて、再出発。しかしまもなく、父はまた酒に浸り始め、しばしば乱暴。夕食の膳をひっくり返すようなことも多く、母と雪の中に裸足で逃げ出したこともあると言う。家計が父の酒で困窮するので、母は本人(ひとりっ子)を見る暇もなく働きつずける。小学卒業する頃は、父とは全く口をきかなくなり、ひたすら勉強だけが支えであった。家に帰っても母にも構って貰えないので、安らぐ場所は母方の叔母の家であった。大学に進学、二度と帰省しないつもりが、母のたっての願いで入学した年の暮れ一度帰省した。家では父と面白くないので叔母宅に入り浸り、その妹(N市に勤めているOL)と気が合った。遊びに来るように誘われ、帰途、N市の彼女のところに行き、性関係。後を追うように彼女は、十数年勤めた会社を辞めて上京。この十五歳上の叔母との同棲が始まる。彼女に全て甘えて一、二年はよかったが、以前の生活と違って彼女は、給与も良くない勤めに変わったこともあり、心のゆとりはなくなってきた。本人も飽きてきたのか、他の女性と付き合ったりした。だんだんケンカに明け暮れ、双方とも疲れ果ててくる。度々彼女はアパートを飛び出したりした。ある朝、「彼女は自殺するな」との予感が彼にはあったが、如何ともする気もなくなり、学校に出る。その日彼女は自殺。武士の情けで、新聞では「OLの自殺」とのみ報じられた。後追い心中を恐れてカウンセリングに当たったが、女性のケース・ワーカーをつけたところ、すぐデートを申し込んだり、執ように迫るのに、唖然とさせられた。間もなく卒業。一流会社に就職。半年も経たないうちに来た手紙によると、会社で向いの机に坐っていたOLと結婚することになったという。また口を利かないほど拒否していた父親に、毎月の金の催促は矢のようであったということも知った。
[例三]
幼時から父母の争い激しい。母は父を見切ったように息子の教育に専念。進路その他で常に争い。ムリヤリ父は大学教師への道を歩ませようとする。そのため何かと介入する。父が強引すぎて、とうとう自殺未遂。大学入学後、母は病で歩行不能となり長い臥床。彼は近くに下宿して、父の居ない時母に会いにいく。母の愚痴を聞くと、酒を呑んで父のところに押しかけ乱暴する。家庭教師先の女子中学生の親と性関係を持ったり、サークルなどの女性につきまとう。試験などの不安がきっかけで、次々と押しかけ同棲する。卒後、大学教師となるが、やはり教え子と同棲(短期)二回。同僚女教師との性関係もある。実に涙ぐましいほどこまめに女性には尽くすが、嫌らしいとか、女のクサッた奴などと罵られて、駄目になることが多い。卒業後も、講義がうまくゆかぬとか女性とうまくゆかぬと、酒を呑んで父に乱暴することもあった。
抜粋:「キャンパスの症状群」 弘文堂 1300円 山田 和夫 著
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