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 その18 企業形態の概要

ここでは私が理想とする、地方企業の形態の概要について延べてみたいと思います。初めに以下に示した組織図を参考に見ていただきたいと思います。まず基本的に経営権は管理部にあるのですが、従来のような中央集権的な末広がり式の組織体制を改め、あえて私は三権並立のシステムを構築してみました。これは日本の行政を真似たものですが、とかく専横的になりがちな管理職主導の経営体質を敬遠するものであって、これが特に部下と上司のトラブルの場合、下からの訴えが上部に伝わりにくく、組織系統を上に昇るに連れ、話しが途中で立ち消えになってしまう恐れがあるからです。しかも相手が誠実さに欠けていたりすると、逆に不当な嫌がらせや差別を受ける場合が多く、こういう従業員の基本的人権を護ろうとするものです。ひとには仕事を通して自分を高めたいという欲求がありますが、企業の目的の一つが利潤をあげることである以上、どうしても手段を選ばぬ凄腕が、中堅社員に紛れ込む確率は高くなるわけで、放置しておいた場合、悪貨が良貨を駆逐するような事態にもなりかねません。

まず監査部ですが、ここは国の司法の役割通り、全ての従業員に公に開かれたものであり、社内でのトラブルはここで公平厳正に解決を図ろうとするものです。従ってこの監査部は独立した権限を保護されており、例えそれが管理部といえど、その存在を侵し従属してはならないのです。また商法に照らして違法行為があったかどうかもここで監査します。

次に管理部ですが、ここはいわゆる各系統を管理、統括するブレインに当たります。この部署は組合部の各課のようなスペシャリスト系とは異なり、主にジェネラリスト的人材が求められます。社の経営・管理は勿論、今後の投資計画や生産、運営の見通しなど、長期に渡る企業活動を決定するものであり、幅広い知識とある種のカンが必要となります。その為には各課に及ぶ個々の体質を把握しておかなければならず、構成員としては大卒などの高学歴者が担当する事になるのでしょうが、初めの内は多くの部署を広く経験することが望ましいと思われます。

またこの系統の直属に、業績評価部を設けてみました。これはその名の通り、組合部の各課における個人の業績を適性に評価しようとするものです。本来その課に属する従業員の業績は、直属の上司である課長が査定するものなのでしょうが、内部からの査定というのは、どうしても個人的な感情が混じりやすく、好きだとか嫌いだとか上司の御機嫌一つで配属や昇進が決まってしまうことや、特にこの組織体系の場合、管理部と組合部の権限をお互い独立させていますから、社に対する貢献度や将来的見通しうんぬんよりも、いかに楽して社から賃金をもぎ取ることが出来るかといった、半ば自己破滅的な人材がリーダーとして推挙される恐れがある弊害を取り除くためです。敢えてこの部を組合部とは別系統としたのはそのためです。つまり、外部からの第三者的立場から、個人の品格、能力を適正に評価できるわけです。後で述べる課長の人材決定にも、この業績評価部が大きな影響を及ぼします。それと、管理部は社長の直轄下にあり、当然社長の意向が社に反映します。経営陣を身内で固めるのは経営基盤の弱体に繋がるという欠点もあるのですが、これはやはり、未知なる分野を開拓して会社を興した社長に対して敬意を表するものであり、世襲的な側面を持ち合わせています。

そして組合部ですが、この部こそ生産主体である従業員の総元締めに当たります。各課の課長から選ばれた組合の代表が、管理部との労働交渉を行ないます。監査部を仲裁として、管理部、組合部それぞれの利益配分を申し合わせるわけですが、最終的な決定権は社長にあります。つまり両部において納得がいく形での合意を取り付けたものに対して社長が決定、もしくは拒否を行ないますので、社長自らが賃金や昇進を調整するものではありませんが、もし上申書が否決された時には、何度でも話し合いを持つことになります。当然これは社内全体に公表されるものですから、従業員としては有能な人材を選ばざるを得ないわけで、ここに人的な質の向上という活性化が行なわれるわけです。この活性化こそこの組織系統に最も特徴付けられるものであり、各課の競走においてもこれは如何なく発揮されます。

そのシステムを説明する前にまず見て頂きたいのが組合部に属する調整課です。これも私が考えた独創的なアイディアです。普通、運送や梱包といった肉体労働的イメージのある部署は下請けとして別会社に委託するのですが、私は敢えて、開発や営業と同列に並べてみました。知的作業と肉体作業の歯車が噛み合ってこそ、企業活動は活発化するという私のポリシーの由縁です。その為には何よりもまず、この水と油的な両者のコミニュケーションを密に取る必要があります。そこで設けたのがこの調整課です。とかくお互い排除、敵視しがちなこの二つの職種をうまく取りまとめて、健全な競走に取り入れるのがこの課の大きな目的であり、お互いが切磋琢磨することにより、尊敬し合うことも出来る筈(はず)です。よってこの部に最も求められる人材は、その場を盛り上げることの出来るムードメーカーです。私はこの部に芸能人的人物を入れたいと思うわけです。企業においては彼らの存在は軽視されがちですが、人の心から殻を取り外すことが出来るというのは立派な才能です。もし私がこういう会社を建てることが出来たなら、是非、そういう人はどんどん入ってきて活躍して欲しいと思います。

という訳で、この管理部と監査部と組合部の連関こそが、この社の核となります。とりあえずここではそれを総合院と名付けましょう。では、これから生産主体である課の解説に入ります。このシステムで一番注目されるべき点は、各課において競走原理を取り入れ、その貢献度に応じて利益配分を変化させようとするものです。つまり、今までのように上からの一方的な配属決定や固定賃金では、勤労意欲の減退からその場その場を適当にとり繕って八時間過ごしたり、ごまかしの利く人がリーダーとして推される場合が往々にしてあり、有能な人材が発掘される環境に乏しく、逆に、伸びようとすれば押えつけられる危険性もありました。このような理由から、人的な質の低下を招く状態が慢性化していたわけです。ここに競争を取り入れることにより、組合部の総会議において各課の代表である課長が最大限の利益報酬を目的として争議するわけですから、当然その職務を適正に遂行される人物が必然的に求められ、ここに「神の見えざる手」とも言うべき有効な自動調節システムが働くわけです。要するに、総合院の会議において勝ち得た報酬を、更に組合部の会議において配分するという二層構造になっているわけです。課長の選任方法はまず、従業員の投票数と業績評価部による評価を参考とした管理部の推薦によりポイント化して集計し、更に監査部の人的監査に応じて、その得票数から数ポイントを差し引いた結果を総合した上で課長を決定するわけです。いわゆる選挙制と上からの任命制を足して2で割ったようなものです。管理部と組合部と監査部、この三者の決定に及ぼす範囲はそれぞれ3分の1程度が妥当でしょう。このシステムにより、自由放任主義、或は逆に専横的といった無能な統率者が淘汰されるわけです。選任が終り、改めて新しいポストに就任した課長は更に自分の課に所属して働く部下の獲得に当たります。課長は自分の課にふさわしく有益であろうと思われる人物を勧誘し、又、従業員の側は、自分により多くの賃金をもたらしてくれるであろう課に売り込みをするわけですから、利害の一致が見られた段階で、上司と部下としての契約が成立するわけです。結果としてドラフト制のように需要と供給の関係により、最適な人員配置が達成されます。これらからもお分かりの通り、従業員は自分の求める職種を社内において自由に渡り歩くことが可能で、尚且つ、業績評価部によって自分の今までの仕事に対する熟練度も評価されるという、二重のメリットがあるわけです。

更に私は、社内に占めるフロアの選択制も取り入れてみました。つまりこれは、運送課においては物理的条件上、建物の一階に位置しなければなりませんが、同課の事務的作業を含め、その他の課は利益報酬が多ければ多いほど、ビルの高層階を占拠出来るというものです。遊び心があってなかなか面白いと思うのですが・・・。




                                       <組  織  図>

                             社 長

  
                             管理部

                         監査部    組合部

                             綜合院



            業績評価部  営業課  開発課  総務課  運輸課  生産課  調整課

            部   長  課 長  課 長  課 長  課 長  課 長  課 長


            一 二 三  一 二  一 二  一 二  一 二  一 二  一 二

            班 班 班  課 課  課 課  課 課  課 課  課 課  課 課



                            組合部会議


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