当世時事辛口批評22
(2003年4月〜2003年7月末)






● ご心配をお掛けしました。

以前利用していた無料プロバイダーから突然、強制削除されてしまいました。(笑) 何か圧力があったの かもしれません。しかしこれしきの事でめげる私ではありません。これからもバリバリ行きますので、宜し くお願い致します。





● 大家の横暴を許すな!

以前、私は 『辛口批評14:奈良長女薬殺未遂事件』 及び 『辛口批評4 : 新借家法』 において大家に仕打 ちを受けてる話しをしたが、その後、新しい展開があったのでお伝えしよう。

あの例の床を蹴る騒音のことであるが、日を経つごとに益々エスカレートしていった。下の階に住んでいるものも かなりの入れ替えがあったし、一つ部屋を挟んだ私の反対側の一室は、既に3回もの入れ替えが起こっている。 特に五階の例は深刻で、あまりに酷い騒音に、五階の住民の一人が堪忍袋の紐(ひも)も切り、物凄い勢いで扉を ”バターン!!バターン!!” と開け閉めし始めたのだ。それでアパートの住民全体に仲違いが生じ始めている のである。またある時などは、その住人の元彼らしき人物がストーカーのような行いを繰り返し、深夜2時 頃、酒臭い息を吐きながら、私の住んでいる七階の廊下を行ったり来たりしているのである。これではアパートの 住民が引っ切り無しに入れ替わるのも無理は無い。更にここのアパートには以前、脳性麻痺の子がいたのだが、最 近全く見掛けなくなった。車輪付きのベッドに子供を寝かせ、狭いエレベーターから出入りする初老の男性の今に も泣き出しそうな悲壮な顔が頭を過(よぎ)る。治療費がかさむのだろう、幾ら音が酷くても、なんとかこの安ア パートで我慢していたのだろうが、終に引っ越してしまったようだ。

しかし考えてみれば、それら住民の移動の毎に大家は丸々敷金を手に入れる事が出来るわけだし、仲介をしている 不動産屋もその都度、紹介料を得るわけだから、これほど儲かる話しは無い。出来れば黙殺しておきたいところだ ろう。またここの大家(堀尾商会:082−251−4852)の奥さん(といってもかなり年をとっているが。)がかなり悪質で、ある時な どは夜の10時半頃、玄関のチャイムが、”ギコギコギコン! ギコギコギコン!”とけたたましく鳴ったかと思 いきや、今度は玄関の鉄の扉を、”バババン!! バババン!!”とこぶしで思いきり叩く音が聞こえて来た。私 が驚き急いで応対に出たところ、大家が町内会の費用を払えと言うのである。勿論、私はそれらを素直に払ったが、 私は今まで一度も町内会の会合などに呼ばれた事は無いのである。実は以前、この町内の近くに個人病院が建設さ れる話しがあり、その建設反対の幟(のぼり)が町内中に5m間隔で立ったことがある。その数たるや膨大で、幟 の費用だけてかなりの額が掛かったろう。それらを捻出する為に、大家が一役買ったに違いない。ここの大家が出 汐町内会の主婦供の女ボス的存在であるわけは、こういうところにあるのだろう。しかしいくら町内会費捻出の為 とは言え、普通その地域との密着の薄い独身者用アパートの住民から町内会費を掻き集める大家が居るだろうか。

またある時などは、ここの住民なのだろう、家賃の滞納のお願いにでも来たのだろうか、五十前後の人の良さそう なおばさんが、大家の部屋を訪れて、玄関先で ”本当に申し訳ありません。ご迷惑をお掛けします。” と涙なが らに頭を下げていた。すると大家の奥さんはそれを見ながら、『ふん、ふん、そりゃぁいけませんね、ふん、ふん、 そりゃぁ、困ったもんですね、まぁ、何にしてもウチも早く払ってもらわんと、困りますからねぇ、』 などど怒り のこもったイヤミっぽい大きな声が四方に響き渡っているのである。そういう関連で色々あったのだろうか、ある日、 役所の者らしい人物が大家の部屋(201号室)を訪ねていたのだが、大家がその人に刺(とげ)のあるカン高いヒ ステリックな大きな声でワーワーガヤガヤ喋りまくっているのである。これは手に負えないと思ったのか、その役所 の職員らしき人物は、防戦一方タジタジで、反論の余地さへ与えられず、その内帰っていったみたいである。

そんな折のことである。私はいつもそれらの騒音にじっと耐え、常に大人しくしていたのだが、ある日偶々(たまた ま)プラスチックにシャフトを打ち込む工作をしていたところ、このアパートの紹介業者である 信和不動産 から、壁を叩く音が煩(うるさ)い という苦情が入っているから今すぐ辞めてくれ、と電話が掛かって来た。私はそんなに大きな音でシャフトを打ち込 んでいたわけではないし、音を出していたのはたまたまその日工作をしていたちょうどその2時間だけのことなので ある。それを何処(どこ)の何方(どなた)かは存ぜぬが、(感の良い読者の方ならそれが誰かはお分かりだろう。) わざわざご親切にもそれらを大家に言いに行った者がいるのである。そこで大家がここぞとばかりに私のこれらの行 いを、 信和不動産 に告げ口したというわけで ある。私は頭に来て、どうしてそれら騒音のことは責めないで、私ばかりを責めるのか、返答によっては法的処置も 辞さないと信和不動産にメールで連絡した。

それから2〜3日後のことである。信和不動産の社員が直接私のところに尋ねて来た。用件は次の様なものである。 つまり大家の奥さんがどういうわけか私の事が嫌いで嫌いで仕方が無いそうなのである。そこでものは相談なのだ が、即金で25万渡すからアパートを出て行く気はないかと言うのである。最初大家は信和不動産に私を追い出せ 追い出せと言っていたそうで、何も非は無いのにタダで入居者を追い出すというわけにはいきませんよ、奥さんに も幾らか負担して頂かないといけませんよ、と言ったところ、ウチは一銭たりとも出す気は無い、それほど言うな ら私(=筆者)の親を大家の所に連れてこさせろと頑として動かなかったのを、何とか25万、大家に出させると いうことで話しをまとめて来たというのである。私はゲームソフト開発用の機材を部屋に運び込んでいたこともあ り、あまり動く気にはなれない旨を伝えると、では30万でどうかと持ち出して来た。30万あれば引越し費用と 新しいアパートの礼金・敷金を払えるし、初月の家賃を払ってもお釣りが来る。もしこれでOKならばウチは即金 で前払いするし、後で修繕費を請求したりすることも一切しない。奥さんとの間に入って仲裁してやろうというの である。私はあまり乗る気になれず、30万+家賃二ヶ月分サービスでは駄目かというと、そこまでは出来ない、 30万+家賃一ヶ月サービスが限界だと言う。それで駄目ならウチ(=信和不動産)は仲裁を諦める、大家と直接 交渉してくれと言うのである。私は直ぐに返答は出来かねるので、また後でメールでの連絡のやり取りをしたいと 申し出た。信和不動産は後々裁判とかになると厄介になるので、こちらからメールは出せないが、私が送信したメ ールはちゃんと目を通しているから安心してくれと私に言った。また、どうしても動く気になれず、それでも大家 があれこれ言うようであるならば、もう無視して貰っても構わないとのことだった。私も開発器材を色々持ち込ん でいたこともあり、その後、動かない旨伝えておいた。

暫くしてまたトラブルがあった。信和不動産の一件以来、割合静かになっていたのだが、また床を蹴る音が酷くな って来た。それで私も頭にきて、『 喧(やかま)しいっ!!』 と大声で怒鳴って壁を蹴った事がある。すると何 処の何方かは存ぜぬが(笑)、またまたご親切に飽きもせず大家に言いに行った者がいる。そこですかさず、ま たまた性懲りも無く大家は信和不動産に私の悪口を電話で告げ口した様で、信和不動産は私の親に、息子の様子を 見に行ってくれと直接電話を掛けて来た。それで巡り巡って私の親が私に電話を掛けて来て、私は事情を説明した。 以上、事の経緯(いきさつ)をまとめよう。
 ・アパートの住人Aが常日頃から床を蹴る。
 ・私が ”喧しい” と怒鳴る。
 ・Aが大家に告げ口する。
 ・大家が信和不動産に私の親に連絡をするように電話する。
 ・信和不動産が私の実家の親に電話する。
 ・私の親が私に電話をして来る。
ああ、何と言うとてつもない壮大な連環だろう。(笑)

またトラブルが起こった。住人Aは慢心し、幾ら床を足蹴りしても、決して自分が責められる事が無いことを悟った 様である。Aは何の遠慮も無く騒音を立てるものだから、私は頭に来て、今度は口だけで 『 喧しいっ!! いい加 減にしろっ!!!』 と怒鳴った。するとAはいつもの如く大家のところに告げ口に行った。そして大家もいつもの 如く、信和不動産のところへ電話する。しかしさすがに信和不動産も嫌気が差して来たのだろう。全く取り合わなか った様である。(住人Aに関する苦情はこの頃には既に信和不動産の所に数多く入っていたようである。) それに 大家は激怒した様で、何と大家が私の実家の親のところに直接、電話をして来たのである。それでさすがに信和不動 産もまずいと思ったのだろう。住人Aの親に事の事情を全て話したようである。その夜、住人Aの両親や姉妹らしき 人物が引っ切り無しにAの部屋に出入りし、なにか異様にざわついていた。

いい加減、書くのが面倒になって来た。しかし書こう。簡単に。Aの部屋に妹らしき人物が住むようになった。元彼 のストーカーが廊下をウロウロするし、床は蹴るし、一人で住まわせるのは無理と思ったのだろう。しかしAは辞め ない。姉妹がいようがお構い無し。信和不動産に益々苦情が入る。今度は母親らしき人物が住みついた。随分静かに なった。しかしこの母親がまたおかしい。ことあるごとに私の行動を詮索し、いちいち、”けっ” とか、”ふん” とか貶(けな)すのである。普通、自分の娘が部屋に男を連れ込み床を足蹴りするならば、しょっ引いてでも襟首掴 んで連れ戻し、申し訳ありませんでしたと入居者一人一人に頭を下げるのが親だろう。それが親である自分までが一 緒に住み付いてどうするのだろうか。私には理解出来ない。常軌を逸している。さらにAの姉らしき人物も住み付い て、母親同様、私の行いを詮索し、”げっ” とか、”はぁー” とか貶すのである。一体どういう家族だろう。親 も親なら子も子である。そもそもこのアパートは契約者以外、住んではいけないことになっている(ちゃんと 契約書に書いてある。)というのに、一体、何人住み付いているのだろうか。赤信号、みんなで渡れば怖くない、と いうわけか? それとも他のアパートから追い出されたのか? もうどうでもいい。好きにしてくれ。

ところでなぜ大家はあれほど私の事を嫌うのだろうか。実はここの大家は大変な資産家である。アパートの一階はテナ ントが入れるようになっており、そのテナント用の大きな駐車場もある。以前、中古車屋が入っていたが出ていった。 後味の悪い出て行き方をした。喧嘩でもしたのか? なかなかテナントが入らない。面(おもて)からは見えないが、 アパートの裏手に入居者用の大きな駐車場があり、それが裏通りにまで繋がっている。大家の親は何をして財を成した のだろう。えげつないことでもしたのだろうか。大家は柄が良さそうには見えない。駐車場の一角には趣味の印刷所の建 物がある。
旦那は婿に来たのか? 影の薄い大人しそうな人物。以前は卵の配送の仕事をしていた。小型トラックが駐車場に留め てあった。午前10時頃出ていって午後5時頃帰って来ていた。パートということなのか? 今は辞めている。奥さん の家賃収入があるので金には困っていないような感じ。柄の悪そうなイメージとは裏腹に、アパートの階段にレリーフ が飾ってある。大家は彫刻でもかじったのか。それとも無理矢理、親にやらされたのだろうか? 模倣(もほう)が精 一杯で才能がある様には思えない。それがコンプレックスとなり後を引いているよう。何か影を落としている。ドロドロし たものを僅かに感じる。”家政婦は見た。” シリーズの様な感じ。この辺に秘密があるのでは。 『 辛口批評18 − 日本の公教育の衰退 − 』 が参考になるかもしれない。
趣味の印刷所に知り合いを呼んで版画みたいなのもをしている。呼ばれている人物の何と表情の暗いこと。嫌々やらさ れている感じ。少しお金を貰ってしているのだろう。大家はそれで優越感を得ているのか? コンプレックスの代償とし て。
娘(或いは孫か?) が学校で何か問題でも起こし、教師から呼び出しでも食らったのか? 登校拒否気味になってる 感じ。そのウップン晴らしで私の親を呼び出そうとするのか? ストレスのはけ口として。
今このアパートは私が払っている家賃の4,000円安で入居者を募集している。賃貸物件の供給過剰で相場が下がって いるのだろう。それでこの前、2,000円ほど安い値段で家賃を振り込んだのだが、やはり駄目だった。扉に2,00 0円不足しているから払えと書いたメモが入れてあった。それでも無視すると、信和不動産から私の親に電話が入り、 不足の2,000円払えと言ってきた。仕方ないので払った。不動産屋で物件を紹介する際に、そこの大家の顔写真や経 歴、どういう入居者を好むかなどの情報を提示するよう、法律で義務付けて貰えば助かるのだが。そうすれば私のよう なトラブルも少しは避けられよう。敷金返還でトラブルを抱えている人は、小額訴訟を利用すると良いだろう。手続き も簡単で、一日で結審する。また何かあればお伝えする。以上。

<追記1>
〒734−0001 広島市南区出汐4丁目1−18 出汐ドルフ705 の住民は、 借金をして、ヤクザがきて、一家心中をして、事故物件になっているかもしれない。






● 収束へと向かう拉致問題

普段我々がメディアの報道を見ていると、まるで北朝鮮がアメリカを敵視しているように思えるが、それ は大きな間違いである。北朝鮮がアメリカを攻撃するそのわけは、あくまでアメリカを牽制するのが目的で、 その最終的な目的は、あくまで我々日本から戦後賠償を引き出すことである。 『辛口批評21:迷走する拉致問題』 でも述べた通り、アジア列強の間では、どうして戦争責任を何時 までも果たそうとしない日本ばかりを依怙贔屓(えこひいき)するのかという、アメリカに対する強烈な不 信感が渦巻いている。道理を重んじるそれらアジア諸国にとって、戦争犯罪を犯した国が何の処罰を受ける ことなく富み栄えていることが、どうしても許せないのである。

本来アメリカにとって政治目的とされるべき対象は中東であり、北朝鮮は関心外である。そうであれば彼ら の反感を買ってまで、日本を庇(かば)う必要は無いのだが、やはりそうにはならないそのわけは、何と言 っても旧731部隊の一件に尽きるだろう。以前、これに関して日テレの掲示板に投稿があったので、引用 しようと思ったのだが、見つからない。削除されたのだろうか。つまり石井中将率いる旧日本軍731部隊 は、毒ガス研究において非常に高度な研究成果を挙げており、アメリカはそれら研究結果を非常に欲しがっ ていた。それで石井中将の戦犯免責と引き換えに、それら研究結果を入手したと言われている。そして何と、 石井中将はアメリカ側の幹部として、後の朝鮮戦争にも参加しているのである!! アメリカが日本の旧戦犯 を追及出来ないそのわけは、こういう理由があるわけで、核保有問題に誘発されて、それらが表面化すること を、とてつもなく恐れているのである。出来れば北朝鮮には大人しくしておいて欲しいというのがアメリカ 側の本音だろう。

更に北朝鮮の怒りの炎に油を注いだのが、”新しい歴史教科書問題” であろう。私自身はまだこの本自体は読んでいないのだが、あちこちの説明から察するに、アジア諸国の言う 日本の戦争犯罪というのは大半が嘘やデマカセであり、日本には天皇という神様のいる神の国なのだから、あま り白人に卑屈にならずに胸を張って生きようよ、とう内容のようである。まあこれらは長年争われて来た論争で、 例えば南京大虐殺に関しても、日本は日本でそんなものは只ののデッチ上げだと言えば、向こうは向こうで過大 表現するというように、収拾のつかない水掛け論になっている。そうであれば互いがその筋に詳しい識者を派遣 して、冷静な立場で一致協力して真相の究明に当たれば良いものを、日本が無視するものだから、それが益々事 をややこしくしているのである。放っておけば、その内熱が冷めると思っているのだろう。日本の官僚の悪いク セである。今回の拉致問題に関しても、これを契機に一気にこれまでのわだかまりの解決を図ればよいものを、 いつもの如くに狸寝入りをするものだから、それが余計に北朝鮮を刺激するのである。アメリカにしてみれば日 本政府の対応は、実に歯痒(はがゆ)いものであるに違いない。

そこへアメリカにとって願っても無い朗報が舞い込んで来た。腰の重い外務省の対応に痺(しび)れを切らし、 拉致被害者の家族が直接アメリカを訪問するというのである。これは拉致問題を名目に、直接北朝鮮と話し合 いを持てる絶好の機会である。上手くいけば毒ガス研究を表沙汰にすること無しに、北朝鮮と妥協点を見い出 せるだろう。最終的には日本に賠償させるから、そちらも鞘を収めて拉致被害者を日本に返せ、という事にな るのではなかろうか。ただ日本の面子(めんつ)もあるだろうから、テレビ報道では経済大国である日本が飢 餓に困窮する北朝鮮を経済支援する、という形になるものと思われる。

何にせよ、これら拉致問題における米朝交渉をきっかけに、アジア列強とアメリカとのより深い結び付きを強 めると同時に、アメリカの日本離れがより加速することは間違いない。




● ゼネコンと役人が日本を滅ぼす

昨今、自民党執行部の中に、日銀総裁の首を福井氏に挿げ替えて、”インフレターゲット” なるものを称し た挙げ句、9月の総裁選に亀井静香を擁立し、新たに公共事業に資金を流そうという話しが持ちあがってい るようである。まあ彼は長年広島の土建屋に公共事業で儲けさせ、それらを横目にひたすら議員宿舎で耐え 忍び、巨額の政治献金を残らず自民党に貢(みつ)いで来たわけだから、一度は総理の椅子にドカリと座って みたいことだろう。(笑) それはさて置き、ここでは市場に資金注入をした際に、利益率の低い大規模重厚 長大産業と、付加価値のある利益率の高い産業の二つの場合に分けて、どのような影響を及ぼすのかそれぞ れの経常収支予想してみた。まず為替レートであるが、ドルに比べて円の流通量は少ない上に、よほどの日本 マニアがシコタマ溜め込んだ円を放出するという事でもない限り、物価上昇率に比べてさほど円安が進むとは 思えないが、データの説得性をもたせる為に、大目に見て1.1倍に設定してみた。まずは利益率の低い大規 模重厚長大産業の場合を見てみよう。

資金注入と経常収支の比較表 その@
利益率の低い大規模重厚長大産業
資金注入 注入前
(1ドル=100円)
注入後
(1ドル=110円)
物価が1.5倍にスライド
諸費用
(人件費含む)
5万円 7万5千円
原料費 400ドル(4万円) 400ドル(4万4千円)
売上高 1000ドル(10万円) 1000ドル(11万円)
経常利益 1万円 −9千円
差額 収支勘定 1万9千円減


何と9千円の赤字となってしまった。注入前との差額は1万9千円である。次は付加価値のある利益 率の高い産業の場合である。


資金注入と経常収支の比較表 そのA
付加価値のある利益率の高い産業
資金注入 注入前
(1ドル=100円)
注入後
(1ドル=110円)
物価が1.5倍にスライド
諸費用
(人件費含む)
2万円 3万円
原料費 300ドル(3万円) 300ドル(3万3千円)
売上高 1000ドル(10万円) 1000ドル(11万円)
経常利益 5万 4万7千円
差額 収支勘定 3千円減


不況になれば景気の底上げを図る為、市場への資金注入は必要になることなのだが、表からも分かる通り、 まかり間違って注入場所を誤ると、逆に更なる景気の衰退をもたらすことを忘れてはならない。この様な 現象を真性インフレーションと呼び、経済学者の最も恐れるところなのである。”インフレターゲット” がいかに危険なものかお分かりだろう。
また一般に適所に資金注入をした後は、景気が活性化される為、資金注入と単価収益との関係は最終的に以 下のグラフの様になるだろう。


つまり何もしなければ収益率はそのままだが経済が停滞する、資金注入をすれば景気は上向くが物価が高 くなり、輸出製品一個当たりの利益が落ちるというわけである。資金注入と取引量はほぼ比例関係にある ので、この物価と輸出製品一個当たりの利益を掛け合わせたものが国民総生産(=GDP)の増分となり、 この値が一番大きくなるように注入額を調整すれば良いということになる。物価と単価収益はマイナスの 比例関係になるだろうから、物価をX,単価収益を Y とおけば y=−ax+b と表され、これらを 掛け合わせた値であるGDP増分は、

GDP増分=xy
     =−ax*x+bx
     =−a(x*x−bx/a)
     =−a{(x−b/2a)(x−b/2a)−b*b/4aa}
     =−a(x−b/2a)(x−b/2a)+b*b/4a

となり、b/2aが最終的に注入すべき適切な資金量ということになる。分数と二乗がエディタで表現出来 ないので複雑な計算式の様に見えるが、要は2次関数の最大・最小問題を解けば良いわけである。しかし実 際にはこのような真っ直ぐな直線になるこはまず無く、正確な値を期そうとすれば、もう少し緻密な統計デ ータの検定・解析が必要になるかもしれない。その際にはぜひ、私の研究指導の担当教官である宜名眞(ぎ なま)教授にご活躍の場をお与え頂きたいと思います。(笑)
『辛口批評19:表スペシャルA 成績表で見る講義概要』

ではその日本経済は果たして利益率の高い産業なのか、或いは旧態依然とした重厚長大産業なのだろうか。 まず日本の主要な輸出産業と言えば自動車と半導体が挙げられよう。まず前者であるが、自動車というの はある意味、行き着く所まで行き着いたという感がある。技術的にも韓国の現代自動車などは日本とほぼ 互角のレベルにまで達しており、遜色は無い。となれば後は価格の勝負になるのだが、残念ながらそれら において韓国や中国に水をあけられるのは時間の問題である。最終的にトヨタ以外は外資に吸収合併され、 日本の技術力でしか作れない部品を残して他の工場は中国に移転・閉鎖するものと思われる。

次に後者の半導体であるが、これにはコンピュータの頭脳となるCPU(中央演算処理装置)やコプロセ ッサー(補助演算装置)、メモリー(記憶装置)などの種類がある。CPUはアメリカのシリコンバレー の独壇場で、日本のソニー・富士通・日立・東芝・シャープ・NEC などの主要メーカーは主にそれらメ モリーや周辺チップを生産しているのだが、近年、このメモリー価格が大暴落し、かなりの値崩れを起こし ているのである。また電子機器に関しては素人の私がこのような事を言うのは甚(はなは)だ失礼に当たる かもしれないが、非常に高度な技術を要するCPUに比べ、このメモリーはさほど技術力を必要とせず、韓国の サムソン電子や台湾の電子機器メーカーが日本のシェアの大半を奪ってしまった。品質的にも日本製品と殆 ど変わりはないし、とにかく値段が安いのだ。かつてのバブル景気は湾岸戦争によるミサイル用チップの追 加受注によってもたらされたものであるのだが、昨今の政治情勢によるアメリカとアジア諸国との結び付き により、対イラク戦争後のミサイル用チップの追加受注はそちらにもたらされることになるだろう。実はこ の半導体チップというのはその製造過程において埃(ほこり)を嫌い、シリコン洗浄用の大量の水を必要と する為、製造工場は大規模で、地方の山間部を切り開き、土地を造成して建設されることが多いのだが、増 産・増収を見込んでバブル期に造成されたこれらの土地や工場が、受注の激減により片っ端から不良債権化 しているのである。勿論これらは宮沢喜一や亀井静香を含む日本政府、銀行、ゼネコン、主要半導体メーカ ーの悪巧みによってもたらされたものなのだが、どうもこれらがグルになり、急激な財政悪化を口裏合わせ てひた隠しに隠しているようなのだ。頼みの綱はもはや携帯電話のみと言ったところだろう。公的資金注入 による銀行救済はこれらの苦肉の策と思われる。(因みに宮沢喜一をはじめ日本政府の面々は、総額100 億円近い隠し財産を所有しているという噂がある。) 恐らく近い内にこれら主要半導体メーカーがある日 突然、破産宣告すると私は見ているのだが、どうだろう。

しかしなぜ役人はこれほどまでに公共事業ばかりに熱心なのだろうか? それは勿論それらが彼らの天 下り先となり、利権に直結している事であるからだろうし、その根本的な遠因は、ひとえに学校と教 師の数が多過ぎるのである。つまりこうである。普通、我々が職場で労働する際に、どれだけ大学で学 んだ知識を必要とするだろうか。恐らくそれらは中堅以上の企業経営者でもない限り、まず使うことは ないだろう。また一般に頭脳職と思われている経理の職も、専門学校や市販の参考書を勉強すれば充分 であり、ましてや工場のラインでボルトを締めるだけならば、小学校までの知識で事足りるはずである。 ではなぜ人々はこぞって大学に進学しようとするのか。それを今から説明しよう。

本来、大学で学ぶ内容は、それに相応(ふさわ)しい者だけに必要で、一般大衆には無縁のものである。 しかしそれでは学校経営は成り立たない。人々が競って進学意欲に駆(か)られる様にする為には、何 らかの形でそれに見合った見返りが必要となる。その点、公共事業はこれらの構図に実に合理的に出来て いる。なぜなら公共事業は現場で作業服を着込んで働く人々と、それら工事の許認可申請を行うスーツ姿 の事務職と、ハッキリ二つの職に分かれている。しかも公共事業が官僚の管轄と直結しているがその為 に、それらゼネコンを管理するのは簡単で、大卒の者をこれら事務職に採用すれば、卒業者の優越感を 満たすのに、今までしてきた無駄な努力が一瞬にしてブッ飛ぶ程の、有り余るほどの劇的な効果をもた らすのである。( 『辛口批評15:永久(とわ)に眠れ。官僚よ。汝の滅 びの時は近い。』 も参照して頂きたい。) つまり大学に入れば少なくとも事務職に就けるという 最低限の保証があるからこそ、人々はこぞって大学に進学しようとするわけで、無論それらは官僚とゼ ネコンの利権の構図があってこそ始めて成立するものなのである。

またこういうのもある。我々が確定申告をする際に、毎年、毎年、納税額の計算方法が変更されて、それ ら計算の面倒さにウンザリさせられた人も多いだろう。これなどもわざわざ複雑にする事で、計算力や暗 記力に長けた大卒の雇用増大を狙ったもので、余り簡単過ぎると経理の仕事が誰にでも出来るようになっ てしまい、大卒の有難味が薄れてしまうのである。或いは助成金や補助金を支給してもらう時なども、あ れだこれだと申請書類を提出することを求められ、どうしても役所の職員に掛け合ったり、司法書士の助 けを借りることになる。これなども役人の有難味(ありがたみ)を植え付けようとするものであり、学校 や大学の存在意義を再確認させる上において、重要な心理的誘導作戦とも言えるだろう。しかし考えて見 ればそんな複雑な助成制度を作らなくても、最初から減税をしておけば良いだけの事なのだが、そうはな らないそのわけは、やはり大学卒業者の雇用確保が目的である。その証拠に大卒の事務職を多く採用す る会社ほど、国からより多くの独占的権益を与えられている事からもそれらの事実が覗(うかが)える。 そう言えばある宗教は人からお布施をタップリ巻き上げておいたその後で、”おお、そんなに困っている のか。よし、それではこの金を持っていけ。” などと言って信者の信奉心を煽っていたそうだが、官僚の している事はこれと何ら変わりはないのである。

そもそも大学に行かせて勉強させた方が良い人材というのは、点数や偏差値がどうだとかでは無く、顔を 一目見ればだいたい分かるものなのである。これまで日本経済がうまくいっていたのも、この適材適所に 配置する、ある種の ”カン” を備えた優れた教師がいたからなのだ。それが今ではどうだろう、この本 来備えていなければならないこの ”カン” の働く現場の教師がいないのである。結果、ありとあらゆる テスト、あらゆる偏差値のデータを駆使して人材の発掘をするのだが、それらが全て的外れで、私などが その人物をパッと一目見たならば、どうしてこの様なくだらない人物が選ばれたのかと実に不思議に思う のである。これなども今の教育システムがうまく機能していない証拠であり、データに頼りすがり偏差値 という物差しでしか人を見る事が出来ない今の指導者の無能振りがうかがえる。

それにしてもなぜ官僚や経営者は高学歴というだけで何の疑いも無く、これらの人物をいとも簡単に信用 してしまうのだろうか。恐らくこれは、”勉強の良く出来る子はイイ子である” という幻想があるから に違いない。しかし読者の方も知っておられるように、例え名門校の学生でも教師の目の届かないところ ではさんざん遊んでいるし、いい点数さへ取れば出世出来るのであるならば、そうする事が一番得だと思 うだろう。結果、勉強だけはしっかりして親にバレないように遊ぶのが今の若者のライフスタイルなのだ が、それを一番知っているのは何を隠そう現場の教師なのである。にも関わらず、利権の上であぐらを掻 き過ぎ現場の見えなくなった御偉い方は、暗記と計算学習を積め込めば良い子が育つと信じ込み、全国津 々浦々に星の数ほどの大学施設を建設しているわけだが、それら無数の大学経営を成立させる為には、” 大学に行けば必ず事務職に就ける”、という既成事実を作っておく事が不可欠で、全ての業種において規 制の網を漏れなく掛けておくことは何を差し置いても最優先されるべき必要命題であり、それらの規制が 原因で日本経済に不況をもたらしているなどという事は彼らにとって二の次なのである。

思うにこれらの混乱は、日本人が競争の概念そのものに慣れていないからだと私は思う。例えばアメリカ 人の母親が、子供を教育する際は、次の様に言うというのだ。つまり人にはそれぞれ持って生まれた運命 というものがある。ある者は幸運の星の下に生まれ、ある者は不幸な境遇の下に生まれる。またある者は 素晴らしい才能を持ち合わせて生まれて来る者もいれば、そうで無い者もいる。神様がどんなカードを配 るのかは誰にも分からないが、人はその与えられたカードでベストを尽くして生きることこそ、人間本来 あるべき姿ではないのかと。
それが日本ではどうだろう。ある日本人の親は言う。とにかく一番になれ。上からでもいい。下からでも いい。とにかく一番になれ。どんな方法でも構わない。とにかく勝て。絶対負けるな。お前の上を行く者 は、足を掴んででも引きずり下ろせと。しかしそんなルール無用のやり方が、到底うまく行くはずもない。 しまいには互いが足の引っ張り合いをする争乱状態になるのだが、すると今度は手のひらを返した様に、 次の様な事を言い出すのである。競争をするな。周りの者に合わせろ。和を尊べ。上に行こうとする奴は 頭を抑えろ。なぜならそれが争いの元になるからである。全てにおいて平等にしろ。大望を抱くな。満足 を知れ。お互いの行動を律し合い、同じ様に振る舞えと。(笑) まったく大笑いである。これでは言って いる事が前と後でまるで正反対ではないか。(笑)
法律の解釈の仕方も日本人と西洋人とで大きく異なる。法律というのは競争をする上での最低限守るべき ルールであり、そのルールに従って負けた奴は大人しくしていろ、というのが西洋人の基本的な考え方で ある。しかし日本人は法律を、全てを平等にしてくれるものだと思っているのではないだろうか。それが ひいては ”法律は弱い者の見方”、”法律はみんながお腹一杯ご飯を食べさせてくれるようにしてくれる もの”、という考え方に繋がっているのだろう。

しかし勘違いしてはならない。これらの構図が成り立つには、あくまで日本がアメリカの経済的庇護の下に あり、尚且つ第三国が常に戦時下にあることが前提であることを忘れてはならない。それ故、暗記力と計算 力に長けた一部の者を選び出し、アメリカ(まあ、正確にはアメリカ政府を牛耳ったフリーメーソンとその 一派と言った方が正確かもしれないが。)信奉の忠実な追随者に仕立て上げ、残りの者は全て型に押し込み 過酷なまでの平均化を図って来たわけだが、アメリカが中国や韓国と国交を始めた今となっては、それらは 全て無意味なことなのである。まず中国は何と言っても人件費が安い。しかし生半可な知識を無理矢理頭に 詰め込まれ、下らぬ自尊心を抱くようになってしまった日本人に、今更中国人のように安月給で働けと言っ ても所詮そんな事は無理なのである。であるなら日本は優れた指導者を盟主に立てて、自立する必要がある のだが、そんな人材は一体何処(どこ)に行ってしまったのだろうか。それはあなた方が一番よく知ってい るはずである。






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