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当世時事辛口批評21
(2002年11月〜2003年3月末)






● 桶狭間(おけはざま)は何時かいな?

自民党が業者と癒着することで、勢力を拡大して来た事は、既に既知(きち)のことである。そしてこれら地方を利用す ることで名声を上げてきた人物が、中曽根康弘 辺りだろうが、実はそのお株を狙わんと、虎視眈々(こしたんたん)と機 会を覗っている人物が一人いる。ズバリ、石原慎太郎である。そもそも彼は常に弟の日陰を歩まされて来たというコンプレ ックスの塊(かたまり)なのだが、幾ら文才があるとはいえ、それだけで総理にはなれるものでは無い。そこで自民党と結 託し、支援を得ようというわけだ。彼が何時も亀井静香を料亭に連れ回しているそのわけは、こういう理由もあるのである。 しかしこれが団塊の世代ならいざ知らず、我々の世代が裕次郎を見た場合、メディアに担(かつ)がれ、脂肪のタップリ 入った美味い肉を食い過ぎて、肝臓病になってクタバッタ大バカ者というイメージくらいしか無いのだが、彼も同じ道を 歩むとは、兄弟揃って救い様の無いアンポンタンということになるのだろう。(笑) しかし逆を言えば今の大人が若い 芸能人を見た場合、”こいつらバカか?” と思うだろうから、それはまぁ、お互い様ということか。

また亀井静香は、ついこの前発表された、個人献金番付で、四位になってはいるのだが、この献金番付がまたクセモノで、 テレビのニュースでは三位までしか放送されず、その第一位は平沼経済大臣だった。ここで読者は何で平沼赳夫と思うだ ろうが、彼は江藤・亀井派であるわけだから、実質的には亀井静香が個人献金ブッチ切りの第一位ということになるのだ ろう。要は名義が変わっているだけのことである。基本的に江藤氏の地元では、赤字の第3セクター・宮崎シーガイヤ( 笑)と、読売ジャイアンツのキャンプ場、高速道路の一部建設など、これといっためぼしいものは無いのだが、ここ広島 では何と言っても総工費5,000億円という南区出島沖埋立工事がドンと控えている。この時期、亀井静香に多額の献金 が渡っているということは、既に裏ではどこの部門を誰が落札するかという談合が、おおよそ成立しているものと見て、 まず間違いは無いだろう。無論メインの工事は檜山議員の親族が役員を務める大林組が落札することは想像するに難くな い。恐らく工費5,000億円の5%前後、およそ250億円程度が最終的に自民党に流れていくものと思われる。言わば 自民党にとって広島は、資金循環の場としての、何としても死守しなければならない最後の牙城(がじょう)なのである。

ここで現代社会の勢力分布を図にしてみたので、参考にして頂きたい。”図1” が十数年前のバブル絶頂期、”図2” が 現代社会、”図3” が10年後の未来である。またここでは図を分かり易く解説する為に、これらを学校の教室に例えて 説明しよう。


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まず図1であるが、さしずめ(C)に当たるのが、土建屋からお菓子の詰め合わせを貰って手懐けられた、ステレオタイプの 担任教師といったところだろうか。(A)がクラスを我物顔で振舞う番長気取りの土建屋のせがれのヤンキーである。(笑) (B)が何時も人の顔を覗うズルくて弱い空威張りばかりするクラス員、(D)が極一握りの有能な人材である。これらの 図から、ヤンキーの言いなりにになってあなたに無礼を働く弱くて軟弱なクラスメートの姿が思い出されよう。(笑)



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次に図2であるが、巷(ちまた)でコンピューターゲームが流行(はや)り出し、クラスでもパソコンなどが導入され始めると、 (D)の一部にプログラミングなどの分野においては教師を上回る者が現われ始める。また自分の作った簡単なプログラミング が雑誌のコンテストに入賞したりすると、調子に乗るなと、なにかと(C)の教師から疎(うと)んじられる。また学年が上が り授業も高度になり始めると、(A)の学力低下が目立ち始め、クラスの大半を占める(B)も昔のように(A)の言いなりに はならなくなって来た。(A)はイライラして、”テメー、最近ちょっと生意気なんだよぉ。” などと言い掛かりを付けては直 接、(D)であるあなたを攻撃するようになる。また、(B)の中にはまるで日テレの様にあなたの粗(あら)を捜して付け回し、 ヒーローはあくまで(A)だと言い張って、あなたを攻撃するように、(B)を扇動(せんどう)する者もたまにいる。しかし 教師やクラス全員があなたの敵というわけでは無く、その内の何人かはあなたを庇(かば)い、あなたを助けてくれる者もいる。 下の図はそんな今の社会状況を表したものである。



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最後に図3である。(D)であるあなたは学校を卒業し、自分で会社を立ち上げた。そしてあなたを信頼し、付いて来てくれる真 の仲間もいる。そう、あなたをもう、誰からも縛られる事は無い。あなたは試練を耐え抜いて、悪の攻撃に打ち勝ったのだ!!! あなたを苦しめた人々は、遥か遠くの世界に住んでいる。 さあ、あなたはこれから思う存分、大空を跳ぶ事が出来るのだ。
JUMP! JUMP!! JUMP UP!!!
FLY! FLY!! FLY AWAY!!! 
あなたは神から真の祝福を受けたのだ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!1



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ところで私は民放ヘリによる妨害を、何度も述べて来たのだが、これら一連の行ないが、日テレ単独によるものなのか、或いは国土交通 省加担の行ないであるものなのか、今一つ掴み切れなかった。そこで私はある一つの罠を仕掛けてみる事にした。つまり 『辛口批評19 : 表スペシャルC 取材ヘリに関する問い合わせ先』 に連絡先を出すことで、もしもこれらがピタリ と止めば、日テレ単独によるものであろうし、これらの甲斐無く、それらが続く様であるならば、国土交通省承認であることが確認出来る。 そしてそれらの結果は実に面白いものだった。最初日テレは他の者にばれない様に、商店街などを敢えて避け、遠慮がちにやっていた。だ から私も調子に乗って、ヘリに向かって笑顔で手を振っていたのだが、記事を掲載して以来、それらがピタリと収まった。しかしである。 それから数ヶ月経った後、ある日を境に再び激しくやり出した。しかも今度は誰の目を憚(はばか)るでも無く、やりたい放題、毎日の ようにするのである。これらのことから以下の事柄が伺えよう。

つまり航空局や国土交通省の現場で働く若い正義感に燃える職員が、これらの連絡を受けた時、当然、制止はしただろう。しかし国土交通 省内における旧建設省や運輸省上がりの古株が、それらを再開する様に、直々(じきじき)に通達を出しているのである。特に私が 『辛口批評20 : 広島地検よ! なぜ亀井静香を起訴しない?!!』 に記事を出した後の妨害は凄まじく、 超低空で私の自宅周辺20m以内の円内を、2時間近くに渡ってグルグル、グルグル、爆音を立てながら何度も旋回するなど、とにかくし ている事が卑劣極まりないのである。また最近は数機のヘリを使うなど、これら妨害が大規模かつ、組織的に行なわれており、明らかに国 土交通省主導の下で行なわれていることが認識出来る。更にこの埋立て工事に反対している社民党議員の事務所が同じ南区にあるというこ ともあり、綿密な計画の下で行なわれていることが分かるだろう。実は私は部屋の中で仕事をしている事が多い上、昼間寝ている事が殆ど なので、気付かないこともあるのだが、 日テレの掲示板 を見る限り、それらは毎日の様にされており、地域近辺の経済活動への影響が懸念(けねん)される。しかしこれら一 連の行ないは、国土交通省公認の下で行なわれているわけだから、ヘリのパイロットはそれらに関して何ら気兼ねをする必要はないのであ る。またテレビで小泉総理を見ていても、落ち着いた表情をしている時と、随分険しい辛そうな顔つきの時がある。恐らく旧建設省辺りの 古株に、随分手酷い仕打ちを受けているに違いない。

しかしこれらは構造改革の暁(あかつき)は、徹底的に追求されることになろうから、損をしたくしたくない人は、関わりを持たない方が身 のためである。無論それらを制止する事こそ人間としての正しい道ではあるのだが、所詮、臆病者のあなた方職員にそんな勇気は無いだろう。 (笑) また読者も私と同様に、これら卑劣な妨害を、受けてる人もいるだろうが、それら悪の行ないに決して屈すること無く、毅然(きぜ ん)とした態度でそれらに臨んで頂きたい。そしてこれら抵抗勢力の卑劣極まりない妨害は、私が堰(せき)となり、しっかり引き付けてお くので、小泉総理と竹中大臣はそれらの横槍に惑わされずに、強い決意で断固、構造改革を成し遂げて頂きたい。






同志よ!! 悪に屈すること無かれ!!!
共に私と闘おう!! 共に未来を築こうぞ!!!!








● 拉致問題

先の拉致問題に関して注目すべきポイントは、大きく分けて二つある。勿論、拉致自体は決して許される行為では無いし、被害者家族の怒り 心頭な気持ちは良く分かる。しかしここではそうした感情論は敢えて避け、政治的な面から考察しよう。

まず一つ目であるが、本来日本の外交は、アメリカの世界戦略に則(のっと)ったものが大半で、それらは北朝鮮外交においても同じ事が当 てはまる。つまりアメリカが北朝鮮やロシアは悪人だから付き合ってはいけないと言ったなら、必ず日本はそうして来たし、アメリカがイラ クを攻撃すれば、日本もそれに同意した。しかしよくよく考えてみればアメリカは太平洋を隔てた遥か異国にあるのに対し、朝鮮半島は日本 の目と鼻の先にあるわけだから、顔を合わせないわけにはいかないのである。

しかしこれらは沖縄に米軍基地がある以上、日本をアジアから孤立させ、大陸から遠ざけておくことは、アメリカにとって必要不可欠な事だ った。そう、彼等は日本が中国やロシアと手を結び、アジアの盟主になることを、何よりも恐れているのである。故に西側に叛旗(はんき) を翻(ひるがえ)す北朝鮮を経済的に封鎖して、飢餓をもたらし見せしめに晒(さら)しておくことは、日本を手懐ける上において、実に効 果的なことだったのである。

しかしここで一つの問題が持ち上がる。本来、アメリカにおける核開発は、 『辛口批評12 : メーソンよ。日 本を駄目にしたのは貴様らだ!!』 にもある通り、衛星を破壊することにあるのだが、北朝鮮に対する見せしめの度が過ぎた為、逆に彼 等がそれをぶっ放すと言い出したのである。もしも世界中が核戦争になったなら、それらはメーソンの言うところの世界統一どころではなくな ってしまう。故に核の開発は辞めさせたい、しかし日本と組むことも辞めさせたい、出来れば拉致問題をきっかけに、北朝鮮を懐柔(かいじゅ う)し、査察の受け入れをした後は、また元の鞘(さや)に戻したいというのがアメリカの本音といったところだろう。そういう意味でこれら 拉致問題を発端とした国交正常化交渉は、日本が戦後、始めてアメリカの指示を仰(あお)がずイニシアチブをとった、最初の外交だったので ある。

そこで登場するのが民放の出番である。(二つ目のポイント。) そもそも民放は官僚拠りで、それらの意向に沿うことこそが、後々の好待遇に 結び付く。また外務省内も大陸派よりも親米派路線が大半だから、民放の採るべき行ないは、自(おの)ずと限られて来るだろう。おかげで連 日・連夜のこれら放送も相俟(あいま)って、何と九割もの国交正常化反対の世論を取り付けることが出来たわけだが、省内の反対派を叫(き ょう)する為に、松茸の話しを持ち出してくるとは、何とも苦しいといったところか。(笑) まあ、それらは置いておくとして、実はここで別 の注目すべき現象が起きていた。

本来この様に民放が親米拠りの放送をした後は、株価が急上昇するのだが、いつものように民放の株価を見ていると、一向にそれらの気配が見 られない。現にこれらメディア関連の株主は、ユダヤ系の金融財閥が多い為、少なくとも下がることは無いのだが、事実、下がっている。ひょ っとすると民放数社が私とトラブルを起こした為に、自分に被害が及ぶのを嫌がって、それらの株を買うのを手控えたのかもしれない。何と言 っても、私は反メーソンを公言する急先鋒なのだから。また私的な恨みで言っているわけでは無いのだが、これら民放四社の寡占化が、CM料 の高騰を招き、結果、新産業育成の妨げになっていることも、ここで一つ述べておこう。

ところで唐突ではあるが、読者の方は ”霊” を見たことがおありだろうか? この様なことを言い出すと、また私がメーソン、メーソン、と騒 ぎ出すかと、ウンザリする人も多いだろうが、いや、申し訳無い。もう少し我慢して読んで頂きたい。実は私は今まで霊を見たことは一度も無い し、金縛りに遭ったことも一度も無かった。また私は 『辛口批評17 : 民放キー局の球団経営』 でも述べて た通り、大変な腕力を持っており、一時期、死ぬほど肉体労働に懲りまくった事がある。別にそんなことをしたからといって、何ら資格勉強に役 立つわけでは無いし、スポーツ選手にでもなってガッポリ稼ごうというつもりでも無かった。にも関わらず、私は何かムショウに肉体労働がした かったのだ。それでつい去年辺り前のことである。私は寝ている時にある夢を見たのだが、それは以下のようなものだった。

私は常日頃から霊現象のテレビを見るのが大好きで、霊は不幸な目に遭って、訴えたいことがあるから出て来るのだと聞いていた。それでもしも 私が霊に会ったら、それらは不幸な人達なのだから、何が訴えたいのか真摯に聞こうと思っていた。そんな折り、その夢の中に出てきたものは、 銀髪の長い髪をした女性らしき後ろ姿だった。白っぽいワンピースの様な服を着ている。私は側に近寄って行き、何か訴えたいことがあるのです か? 何か酷い事でもされたのですか? と聞いてみた。しかしどうも様子がおかしい。何も応えずその場にたたずんでいる。そして彼女はゆっく り立ち上がり、私の方を振り向いた。顔が無い。血色の無い、青白い死人の様なのっぺら顔をしている。そして音も無く滑る様に私に動き始めた その瞬間、私の体が急に動かなくなってしまった。一体何が起こったのか? しかも彼女の体から、恐ろしいまでの殺気が感じられる。

彼女が両手を不気味に挙げて、スルスル私に近づいて、それらの姿がハッキリ見える様になるに連れ、その顔はノッペリ顔で表情は無いのだが、 明らかにその顔には確実に私の息の根を止めようとする殺意が分かる。私はその時、生まれて始めてかつて味わったことの無い恐怖を感じ、 と同時に腹の底から怒りが湧き上るのを感じた。そう、それはメーソンが私に放った刺客であり、恐らくアメリカでも1、2位を争う妖術の使い手 なのだろう。しかし私の体は鉄の十字架に鎖でグルグル巻きにされた様にビクともしない。

妖術使いが私の目前、1メートル手前まで近づいて、その両手を私の首にかけようと、両手を広げたその瞬間、私は思わず ”やられるっ!!” と 心で叫び、渾身の力で両手を前に突き出すと、”カシン!!” とばかりに急に呪縛が解き放たれた。私は ”コノヤロォ〜〜ッ!!!” と絶叫し、 私の顔面30cm手前にあるその不気味な顔に、渾身の力を込めてダイナマイトパンチを叩き込んだ。そしてその時、ハッと目が覚めたのである。

おそらくその妖術使いはアメリカのどこかの精神病院で発狂しているに違いない。なぜなら私が木っ端微塵(こっぱみじん)に粉砕したものは、そ れらの肉体では無く、精神だからである。というわけで、私はこの様に今でもピンピンしているというわけである。恐らく彼等メーソンは、この様 にして己の障害となる者を、亡き者にして来たのだろう。また、これらと同等の能力を持つ妖術使いは他にもまだ居るだろうから、メーソンの悪口 を言いたい人は、まずジムにでも行って体を鍛えておくことをお勧めする。(笑) というわけで今現在、午後6時20分、窓の外をからヘリが通過 する音が聞こえて来た。日テレのヘリか? よし、では早速、日テレの掲示板に告知しておこう。(笑) 読者の方も検討を祈る!!




● あなたは夢を見るのが好きですか?

昨今の経済不況下で、金融問題が色々取り沙汰される中、それらはとかく専門的で、今いち我々には分か りにくい。故に、ここではそれらを簡潔明瞭に噛み砕き、具体的に考えよう。

思うにこれらが分かりづらい理由には、以下の様な大きな二つの理由が挙げられよう。

・ まず一つ目であるが、そもそも国債とは次世代の財産をかたにして、そこから借金をするものである。 もっと乱暴な言い方をするならば、子供の教育費をブン取って、それで大酒食らっている様なものなのだ。 それらがストレートであるならば、許されざるべき行為だと、多くの国民が思うだろうが、それらが 国 債発行 → 銀行に買い取らせる → 税金による資本注入 という二段階の迂回策を採る為に、我々が将来 得るべき財産を国に食い潰されているという意識があまり沸かないのである。しかし一般の普通の人々が、 テレビやラジオで経済学者の専門的な言葉の羅列を聞いた時、それらの勢いに圧倒されて、問い詰めるこ とが出来ずについつい尻込みしてしまうのである。

・ 次に二つ目であるが、情報網も充分整備されていないのに、規模を巨大化し過ぎた事が挙げられよう。 つまりどこかで欠陥が生じても、それらが表面化するまでに大変に時間がかかるのである。以前、アメリ カのプロフットボールリーグで、選手が筋肉増強剤を乱用し、手足を切断したり、心臓発作を起こして死 亡するケースが多発した。つまり、本来筋肉というのはその正常な活動を維持する為に、酸素を運び、栄 養を接収する為の、それ相応の血管網を必要とする。しかるに薬でそれら筋肉のみを無理矢理成長させた なら、一時的には見る見る巨大化するのだが、血管は通常のままだから、その巨大化した筋肉を維持する に必要な酸素や栄養素を運べずに、しまいには筋肉そのものが壊疽(えそ)して腐っていくのである。し かも神経自体も元の伝達経路のままだから、それら腐りかけた筋肉の痛みの反応が出るのが大変遅く、気 付いた時にはもう既に手遅れで切断するしかなくなっているのである。また内臓や心臓も元の体のままだ から、その巨大な体の負担に耐え切れず、やがて心臓が麻痺を起こして停止するのである。これと同様の 事が今の社会構造にも当てはまり、末端でどんなに不正や不条理なことが行われても、それらが咎められ ずに表立って出て来ない為、人々の中に不公平感が蔓延し、勤労意欲が薄れて来るのである。それらは私 のバイト体験談からも覗えよう。

この様に今の社会的な構造は、危機的状況であるにも関わらず、政府や国はさほど深刻に受け止めているよ うには思えない。思うにこれらの理由には、これまた箇条書きで大変恐縮ではあるが、以下の三つの理由が 挙げられる。

・ まず一つ目は、それら国債という借金の負担は次の世代が担う為、社会問題が表面化したその時は、それ ら当事者は既に政界を引退しており、責任追及される頃には既に彼らは死んでいると思われるからである。

・ 次に二つ目であるが、それら往年の政治家が、今の経済不況の現状を、戦後日本の奇跡の経済復興とダブ らせている事が挙げられよう。つまり今は多少の不況でも、またいずれそれらが自然に活性化するものと楽観 視しているのである。しかしこれには決定的なミスがある。そもそもアメリカが日本の経済復興を支援したそ のわけは、沖縄というアジア地域での軍事基地の必要性と、東欧諸国に武器を供給するその際に、経済的なパ ートナーを欲していたからである。しかるに今のアメリカは、既に韓国や東南アジアに多くのアメリカ軍が駐 留し、イスラエルによる中東攻撃の足場は整えられているわけだし、中国という経済的パートナーも既に得て いるわけだから、仮に日本が地獄の底へ落ちたとしても、それを何ら支援する必要性は全く無いのである。い やそれどころか日本の中間層が富み栄え、それらの子供が進学し、へんに中途半端な教養を身に付ける様にな った今となっては、寧ろそれら日本のにわか仕込みの教養人は、彼らフリーメーソンの世界支配にとって実に うっとしい、邪魔なものになりつつあるのである。故にもしも日本が深刻なデフレに突入すれば、恐らく彼ら は日本の息の根を止めるべく、致命的な最後の一撃を加えてくることになるだろう。さしずめ ”生兵法は大 怪我のもと” といったところだろうか。

三つ目は、政府が物価上昇による国債の負担減を見込み過ぎていることが挙げられよう。つまり物価というのは 文明の進化に伴って、順応的に上昇する。なぜなら人は、より新しいもの、より優れたものに対価を支払おうと するからである。本来、貨幣は、取引の活性化に伴って、それらの需要が増大する。さすれば誰かが紙幣を印刷 しなければならないわけだが、”お金印刷屋さん” なんてものは世の中には存在しない。つまりそれを肩代わり しているのが、銀行の融資制度である。つまり銀行による新規事業への貸し出しは、それらが上手く行くかどう かは別としても、貨幣という流通手段の市場放出という意味で、それはそれである種、意義のあることなのである。 経済用語で次の様な話がある。つまり二つの業者に一方は穴を掘らせて、もう一方は穴を埋めさせ対価を払う。 一見、無意味なことをしているようにも思えるが、それら貨幣を市場に流すことにより、そこから派生需要が発 生し、いずれは意義のある産業が発展するという考えである。(これと似たものに聖書に出てくる三人の息子の 話がよく引用される。詳しくは、「第2章 その9:貨幣のあり方」 を呼んで頂 きたい。) また以前イギリスが、「”いっそのこと紙幣をヘリコプターでバラ撒けば良い” と言えばそれを本 気にするバカな国。」 と述べたのも記憶に新しいところである。しかしそれにも限度というものがあるわけで、 あまり意味の無い公共事業ばかりにお金を注ぎ込んでも、インフレが促進されるのみで、さしたる産業も発展せ ず、結果、税収も思うように伸びないのである。これほどまでに物価が上昇しているにも関わらず、国債残高が 一向に減らないそのわけは、こういう理由もあるのである。これらに関して当の日銀に金融緩和を求めているの は他でもない自民党であり、その主導的な立場をとってきたのは、宮沢喜一と亀井静香(共に広島県)であるわ けだから、自民党は大いに責められるべきだろう。

ところで亀井静香よ。私は同じ広島県民として貴殿に聞いておきたいことがある。貴殿は常日頃から今の改革路 線に異を唱え、もしもこの改革が失敗したならどのような責任を取るのかのと言っていた。それでは私は貴殿に 問おう。もしも貴殿が今の重厚長大路線を踏襲し、それで国民が路頭に迷うようになったなら、貴殿は一体、ど のような責任を取るのだろうか。よもや一人の政治家が、人が失敗した時だけ責任を取れと言いながら、自分が 失敗した時には何も責任を取らないという事はありはすまい。恐らくそれは議員辞職のみならず、自決するのが 妥当だろうと思うのだが、貴殿はどのようにお考えだろう。いずれにせよ、今の銀行の債権や、国から引き受け た国債は、大半が公共事業歳出や土地開発がらみのものなのだが、それらを銀行の役員が、自腹を払うとは考え にくい。となればいつもの如くに ”金融システムの安定” という、魔術のようなお馬鹿な念仏を繰り返し、最 終的には資金注入という形で国民の税金から埋め合わせをすることになるのだろう。

しかしそれにしても思うにつけ、なぜ自民党はこれほどまでに急成長を求めたのだろうか。恐らくそれは、彼等 が子供の頃に悲惨な戦争を体験し、自分達はあくまで被害者なのだから、それらの慰めを受けるのは当然である という、幻想を味わいたかったのかもしれない。無論そんなものは、とんでもない考え違い以外の何物でも無い のだが。まあ、何にせよ、彼らが手塩に掛けて育てた土建屋と、それらのかわゆい子せがれに、見切りをつけて 資金を回収するに忍びなく、それに代わって自分で自腹を切るというのなら、何も言うことは無いのだが、もし もそれらを増税という形で私に肩代わりさせようとするのなら、私は遠慮無くあなた方を攻撃することを言って おく。

しかし確かに不況ではあるけれど、一方では自動車の輸出は好調で、民放のCM広告収入は軒並み増大、マンシ ョンの売上高は過去最高を記録し、空前の建設ラッシュが続いており、さほど不況とは思われない一面もある。 恐らくこれらには以下の様な理由が考えられる。

・ まず一つ目であるが、これら次の世代の得るべき財産を担保とし、公共事業に費やし流用した張本人が、守り の姿勢に入っていることが挙げられよう。本来ならば、それら資産はあくまで次の世代のものなのだから、彼等 が暮らして行けるよう、新産業の育成に費やすのが妥当だが、もはや守銭奴と化したそれら団塊の世代の盗っ人 に、そんな常識は通用しない。子供から巻き上げたそれらの金は、あくまで自分の為に費やして、老後を豊かに 送れるよう、分譲マンションという最後の砦(とりで)を築いているのである。

・ 次に二つ目であるが、本来、自動車というものは、産業の発展段階における血液循環の役割を果たしている。し かるに東南アジアや中近東での産業発達に伴って、日本車の需要が増大しているわけなのだが、それらの国が最終的 に目指しているものは決して日本のような重厚長大産業ではなく、あくまでソフト産業、芸術志向を目指している のである。しかるにそれが日本では、それら自動車産業が、より良い未来を築くための手段では無く、最終的な目 的になってしまっているのである。例えばあなた方は日経連会長、奥田 碩 氏(=現トヨタ自動車会長)を見て聡 明な人物だと思うだろうか? 確かにあの手の目敏い顔は、数字に強いことは覗える。しかしこれが真に優れた指 導者ならば、いずれはそれらも衰退し、次の新しい時代に突入することを見据えた上で、新芽を育もうとするだろ う。にも関わらず今の日本の経済界は、それら文明の発達段階における手段であるべきものを最終的なものとし、 社会全体をシステム化してしまっていることに問題があるのである。その上それらCM収入のこともあるだろう、 民放揃って彼等を誉めちぎるものだから、余計、性質(たち)が悪いのである。

・ 三つ目は、大衆に依存して来た既存業種がメディアに最後の望みを託しているのである。例えばこんな経験があ るだろう。倒産間際の老舗の店が、起死回生を願って望みを託し、CMを連発してはみたものの、やはり息が続か ず力尽きてしまった多くの例を。普通我々が一般的に、テレビでCMを流すのは、今の安定を長く維持しようとす るものか、或いは赤字続きで切羽詰って玉砕覚悟、一発逆転を狙うかのどちらかで、帰属を嫌うIT業種の起業家は、 個々人で世界と取引する為に、マスコミュニケーションを避けたがる。裏を返せば今の時代にCM収入が増えているという 事は、逆に不況が深刻化している証拠とも言えるのである。

ここら辺りで以上のことをまとめてみよう。このように日本経済が衰退するのはまず間違い無いと思われるが、 それらの原因を列挙すると、以下の様なものが挙げられる。

@ 少子化により子供の負担が増大し、と同時にこれまでのような重厚長大産業が成り立たなくなっている。
A 官僚主導の談合政治により、企業の質が低下している。
B 海外では才能を伸ばす教育に力を注いで来たのだが、 日本の教育では歪んだ共産主義的平均化政策に終始し、次の世代を担う有能な人材が育っていない。 またこれらは一般的に、平均の学力が高いという統計に惑わされて、あまり重要視されて来なかった。
C 社会構造の変化による、インフレとデフレの同時進行。
D メディアによる大衆迎合の助長。利口になり過ぎた凡人。豊かになり過ぎた一般大衆。

ざっとこんなものだろうか。

ところでこれを読んでいる読者の方は、どうして私がこれほどまでに、メディアに対して頑(かたく)ななのかと、 不思議に思う人もいるだろう。それらの説明をする為に、 ここでは私とメディアの意見の違いを以下の表にまとめてみた。

表1 私とメディアの意見の相違
(A) 職人親方型 (B) 一般大衆型 (C) 計算官僚型 (D) 芸術独立型
私の見方 古い価値観を引きずる時代遅れの遺産。 慢心した大衆。パンと見世物も求める堕落したローマ市民。 数字には強いが先のことが読めない。
一時の利益を算定して後で大損失を出す。
次世代を担う重要人物。
メディアの見方 ヒーローに見立ててれば一番収益が上がる。 視聴率と収益を上げるには何としてもこれらの支持が必要。
圧倒的に数が多い。
言うことさへ聞いていれば害は無い。当たらず触らず。 ピエロ・道化師役。利用することが出来れば良し。
何かよく分からない才能を持っているのかもしれないが、
金や権力があるわけでは無いし、手向かいすれが叩き潰せば良いだろう。


また私が読者から頂いた意見の中で圧倒的に多かったのは、以下の二つのものだった。
@ そもそも ”ヤラセ” や ”持ち上げ” は、テレビで当たり前のことだろう。 それを分かっていて楽しめるのが本当の大人。そんなにガミガミ言うことはないではないか。
A もっと楽しくやろうよ。人間陰気に暮らすより、明るく前向きに生きた方が得じゃん。
それで大変恐縮ではあるが、この場をお借りして、それらにお答えさせて頂きたい。

・ まず@番であるが、全くその通りである。しかしテレビは電波放送という形式上、誰でも番組を見るこ とが出来る。であれば子供がテレビを見れる時間帯くらいは、”この番組はヤラセや持ち上げが含まれて いるので、お子様のご視聴はご遠慮下さい。” くらいのテロップは流しても良いのではなかろうか。

・ 次にA番である。実は私がこの様に、テレビを批判する記事を書いたなら、日本人の大半は特に集団心 理に弱いから、私は一般大衆から物凄い攻撃を受けるだろうと思っていたのだが、案外、私の意見に同調し てくれる人が多いことに驚いた。恐らくこれは、バブルの教訓が影を落としているのだろうと私は思う。 これは今の若い人には信じられないかもしれないが、当時のバブルの絶頂期、”根あかブーム” なるもの がもの凄い勢いで日本中を席巻(せっけん)し、マッチやトシちゃん、横浜銀蝿などがブレイクし、建設業 の息子が大きな ”ドカン” と呼ばれるズボンを履いて学校の廊下を闊歩(かっぽ)して、ちょっとでも哲 学的、理論的な事を言おうなら、”根くら” と言われて人から悪魔呼ばわりされる風潮さへあったのだ。 つまり ”根あか” とは、根が明るいの略であり、”根くら” とは根が暗いという意味である。また当時の 公共事業の談合を反映したものなのか、多数派に属さない者は徹底的に攻撃される、いわゆる ”いじめ” が凄惨を極めたのも、ちょうどこの頃なのである。当時私はアメリカのポップスばかりを聞いており、それ らの歌詞は哲学的なものが多いのだが、そんな話題はとても教室で話せるようなものでは無く、私は随分、肩 身の狭い思いをしたものである。(詳しくは 『辛口批評16 : 宇多田ヒカル のミリオンヒット』 をお読み頂きたい。) それがバブル崩壊後、ひたすら ”根あか” を極めんとした 当時の多くの人々は、今みんな首をくくって死んでしまっているのである。そしてそれらを必死で煽っていた のが他でもない、当のマスメディアだったのだ。大衆がメディアに対して意外と冷静でいられるのは、そうい う理由もあるのかもしれない。当時、『うる星やつら』 でひたすら ”根あか” を煽った高橋留美子は、こ れらの事実を一体どのように受け止めているのだろうか。

思うにメディアがこれほど責められるそのわけは、何をおいても次の三つに尽きるだろう。
・ 本来支払うべき正当な電波使用料を殆(ほとん)ど支払っていないにも関わらず、国民のものである公共の 電波を、まるで私物の如くに扱っている。
・ 民放四社が電波を寡占化している。一つのチャンネルに色々なジャンルのコンテンツが重なり合っている為、 見たくもない番組を見なければならない。アダルト番組の好きなものはアダルト以外のものは見たくないし、宗 教が好きなものは宗教以外の番組は見たくないのである。まあ、これは一重に規制の緩和以外、対処のしようが ないのだが。(『辛口批評20 : 広島地検よ! なぜ亀井静香を起訴しない?! !』 をご参照あれ。)
・ 報道の公平性を著しく欠いている。つまるところ払うものさへ払っていれば、誰を持ち上げようが誰を貶(け な)そうが自由だし、お得意先のスポンサーを祭り上げ、金払いの悪い雪印を散々蹴落とし潰そうが、誰も文句 は言わないだろう。本来メディアは公共の利益を供することを前提に、電波使用料を免除されているにも関わらず、 私的な視点で著しく偏った報道をしている。例えば野村幸代さんより脱税額は石井館長の方が上なのに、あれほ どの報道をワイドショーはK−1事件を取り上げただろうか。(『辛口批評2 : サ ッチー騒動』 参照。) 民放取材ヘリに関しても、警察航空隊並みの権限を与えられている民間企業が他に あるだろうか。払うべきものを払っていないにも関わらず、好き勝手しているからこれほど非難されるのである。

よくテレビ局のアナウンサーのプレッシャーは大変なものだとしばしば聞くが、ハッキリ言おう。あなた方のし ている事はプレッシャーなどというような代物では決してない。すなわち、あなた方のしている事は ”まやか し” であり、”幻想” なのだ。

もしも仮に今の日本の繁栄が、アメリカに操られたものでは決して無くて、純粋に日本自らの実力で、永遠に続 くものであるならば、芸能人の様に面白おかしく暮らせばそれが一番良いわけで、何も私の言うことなど端(は な)から無視しておけば良いのである。

しかし私はそうでは無いと思っている。今の日本の繁栄は、明らかに目には見えない大きな力によって踊らされ ているものであり、いつか必ず崩壊する時が来るだろう。更にその上これら経済の実態も、実は次世代から借り たお金でものを買い漁っているだけのことであり、いつかは取り立てが来るだろう。つまりあなた方メディアは 借金漬けで贅沢をしている浪費家からお金を貰い、CMで彼等を持ち上げて、日本の大企業は凄い、凄い、と馬 鹿はしゃぎをしているのである。これを ”まやかし” と呼ばずして何と呼ぼう。言い換えればあなた方メディ アは盗っ人から貰ったお金でビルを買い、それで自分達はお金持ちで力があると人に言いふらしているのである。 そしてあなた方はあまつさへこの私に馬鹿の様に振舞って、大企業は素晴らしいと口からでまかせを言うことす ら強要したのである。それが嫌なら黙って大人しく静かにしていろという事なのだろう。

だから私はあれほど黙っていたでなないか!
だから私はあれほどあなた方を避けていたではないか!!
私にはそんな心にも無いことは言えない、
だから私に構わないでくれと、あれほどあなた方に意思表示をしたにも関わらず、
それでもしつこく私を付け回したのは、あなた方メディア自身ではないか!!!
だから私が仕方なく私がこうやってサイトを公開すれば、
今度はあなた方は、それさへも踏み潰そうとするのか!!!!

かつてヒトラーは 『嘘も百回つけば真実となる。』 と言ったが、今のメディアのしていることも、これと似てい るのかもしれない。つまり実体も無い物をあるといい、大衆に偶像を拝ませ信じさせ、それで夢を見させるという、 ある種、麻薬の取引の様な事をしていることになるのである。まあ何にせよ、私は女子アナにでもなって民放テレ ビ局の敏腕凄腕プロデューサーと結婚し、青山の超高級億ションに住みたいのだと言うのなら、それはそれであな た方の勝手だが、例え誰であろうが私に危害を及ぼす者は、私は必ず反撃させて頂くことを、この場を借りて言っ ておく。

ところで日本において高所得者と言えば野球選手が挙げられようが、ことアメリカにおいては事業主や起業開拓者 の方がそれより遥かに高い報酬を得ているという現実がある。ではなぜ日本とアメリカでこのような逆転現象が起 きたのか? それは両者の経済構造の違いに由来しているものと思われる。
・ 例えばこれがアメリカならば、野球の年俸制のみならず、一般の会社においても営業成績順に年俸が支払われ、 下の者は直ぐに解雇の対象となる。またアメリカが海外の工場を統括する以上、現場で働く労働者よりも、それら を指揮するブレインの方が必然的に高給になる。つまりアメリカであれほどスポーツ選手がメディアに顔を出すそ のわけは、実は裏を返せばその偏った社会構造を補正しようとする働きの表れでもあるのである。
・ 一方日本はそれとは逆で、普通の会社に入ったならば、それが年俸制で成績の悪い者が解雇されるなどというこ とは、どう考えても無いだろう。逆に一人だけ目立ち過ぎると、和を乱すという理由で逆に爪弾(つまはじ)きに されてしまう。また日本がこれまでアメリカの工場であった以上、主役はあくまで一般の労働者で、ひいてはそれ がスポーツ選手の憧れへと反映されて来たわけだが、最近少し事情が違ってきて、中国がアメリカとタッグを組んで 世界の工場となる以上、日本は優れた指導者を盟主に立てて、自立する必要性に迫られる。となればこれまでの様な メディア戦略は時代にそぐわない気もするのだが、皆さんはどの様にお考えだろう。





● 迷走する拉致問題

ところで今の拉致問題に関するテレビ報道を見ていると、政府主導の先行き見えぬ展開に、アタフタ慌てふためく被 害者家族の慌て振りを気の毒に思うと同時に、何か奇妙な滑稽(こっけい)さを感じた人も多いのではなかろうか。 本来ならば地獄の底から無事生還した彼らを暖かく出迎える日本政府、というストーリー仕立てであったのだろうが、 今回の5人に関しては、彼らは北においてかなりの地位にあったという。何か場違いな設定に、明らかに筋書きを書 き間違えているとは思わないだろうか。こと暗記と計算力にかけては誰にもヒケをとらない官僚も、創作劇に関して は、これら北朝鮮の方が一枚上手であったと言わざるをえまい。

ところで日朝交渉を再開するに当たり、どうしても避けて通れないものが戦後補償問題であろう。例えばこれがドイ ツの場合、ユダヤ人への莫大な財政支出を国家規模でとり行って来ているのだが、実は先進国の中で唯一この補償問 題から免(まぬが)れているのが日本だけなのである。無論これらは日本がアメリカの傘の庇護の下にあるからであ り、これらの追求から逃れられているのも、それらの後ろ盾があってのことである。

しかし時代は変わった。これら拉致問題に関しても、出来れば政府は関わりを持ちたくなかったはずだろうが、ここ まで表面化した以上、それらを避けて通ることは叶(かな)わない。更にその上、中国の国力上昇に伴って、それら の発言権も強まった。もはや国際連合も、これら日本の戦後補償問題を無視して素通りすることは出来なくなってき ているのである。北朝鮮があれほどアメリカに噛み付くわけも、どうしていつまで経っても戦争責任を果たそうとし ない日本を庇(かば)うのかという、深層心理があるのだろう。

よく日本の政治家で、どうして未だに中国にODA(=政府開発援助)を出さなければならないのかと言う人もいるが、 実はこれには戦後補償という意味合いもあるわけで、もしもそれが純粋にODAだと言い張るならば、それとはまた別 に賠償責任を果たさなければならないということになるわけである。これらに関して日本と他国ではかなりの意識のズ レがあるようで、例えばこれが中国では、旧日本軍の731部隊を題材にしたブラック・サン(黒い太陽731)という映画 が空前の大ヒットを飛ばしており、その続編のブラック・サン2と合わせてこれまでの映画興行収益記録をことごとく 塗り替えている。しかし残念ながらこの映画は日本では一切公開されず、ビデオレンタルのみとなっており、それも今 では貸出終了となっている。私はこれをレンタルビデオ屋の棚の片隅に1本だけ置かれていたのをたまたま見つけ、家 に借りて帰って見たのだが、いや、さすがに大ヒットを飛ばしたことだけの事はある。非常に完成度が高い。普通中国 映画といえば派手なリアクションで唾を散らして日本を罵倒するというイメージが付きまといがちだが、これはそれら 感情的なものを一切排し、実に淡々と語っているのである。そしてそれら人間描写が実に細やかで、見終えた後で、実 に感慨深いものがジワジワ込み上げて来るのだ。私はその一週間後、またそのレンタルビデオ屋に出かけたのだが、そ のブラック・サンの1と2は既に撤去されて無くなっていた。何か政治的な背景があるのだろうか? また少し古い本で はあるが、この731部隊に関して詳しく知りたい方は、森村誠一氏の著書、『悪魔の飽食』 を読めば参考になるだろ う。

ところで私はネット上の掲示板を調べているうちに、興味深いリンクを発見した。まずはともあれ下のリンク先を見て 頂きたい。

・ Yahoo!掲示板
・ 関連記事1
・ 関連記事2

しかしこれらは考えようによっては国際問題にも発展しかねない悪質な事件だと思うのだが、それ以上にこの事件が8年間 も黙殺され続けてきたということ自体、実に驚きである。恐らくこれはあまり日本が強く出て、逆に補償問題に触れられれ ば話が厄介な事になるという政府の思惑もあるのだろうが、やはり犯罪は犯罪、ここは毅然とした態度でそれら容疑者の引 き渡しに尽力して頂くよう、この場を借りて 外務省 にお願い する次第である。とは言え私は無名の一個人、最終的に世論を動かすのはあなた方一人一人の力である。またこれとは直接 関係ないのかもしれないが、やはり何と言ってもこれら性犯罪が軽んじられるそのわけは、日本の社会構造が重厚長大産業で、 女性の政治的発言権が小さいことに尽きるだろう。 私は ここ のトピックを参考に、名前を入力すれば直ぐに事件が検索が出来るCGI でも作ってやろうかと思ったのだが、民放が私の 邪魔をする為に、バイトも思うようにはかどらず、無料のホームページを利用するしか無く、残念ながらここはCGI を使 う事が出来ないのである。誰か私に代って作ってくれる人はいないだろうか。

そろそろ話しをまとめよう。なぜ北朝鮮はこの時期5人を日本に返したのか。ズバリ言おう。日朝交渉における戦後補償問題 の仲介役である。無論これらは避けて通ることは出来ないし、彼らを責める事は一切、出来ない。なぜならそれが国際社会の 一員として、日本が果たさなければならない当然の義務だからである。何にせよ、これら二国の狭間(はざま)の中で、時代 の波に翻弄(ほんろう)されて、一番迷惑を被っているのは何の罪も無いそれら拉致家族の方々であり、最大の被害を受けて いるのも彼ら自身であることは言うまでもない。






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